ねずみの害

コメネズミという小さな鼠がペダルの隙間からピアノの内部に侵入してフェルト等内部の部品を齧り、
それらを材料にして寝床をつくるなどします。

部品を取り換えたり調整・補修が必要のため、3万円程度査定見積り額が下がります。

無人の住宅や納屋などに長年置かれたピアノに時折見られる状態です。

内部の白いフェルトがちぎれていると鼠害です。
内部の白いフェルトがちぎれていると鼠害です。
鍵盤の下の空間に巣を作り住みつき子育てします。
鍵盤の下の空間に巣を作り住みつき子育てします。

塗装膜のひび割れ

直射日光にさらされて日中は膨張し、夜間は冷気にさらされて収縮、が長年繰り返されるなどで塗装の膜にヒビが複数入ったりします。

そのような場合、その部位の塗装膜を一度剥がし、下地を平滑に仕上げた上で塗料を数度塗り重ね、磨き上げるなどの作業が必要になります。

ピアノの鍵盤フタと腕木は直射日光を受けやすい。
ピアノの鍵盤フタと腕木は直射日光を受けやすい。
こちらは塗膜だけでなく化粧板・下地も剥れている。
こちらは塗膜だけでなく化粧板・下地も剥れている。

非常に悪い状態の調律ピン錆

お部屋の温度が下がると、空気中の湿度が「結露」しやすくなります。

ピアノでは調律のピンや弦などで結露が起きやすく長年その状態が続くと錆が生じます。

ある程度の錆は問題なくさび落としが可能ですが
限度を超えると部品交換が必要となり、多額の修理費用が必要となります。

非常に悪い状態の調律ピン錆

ここまで錆びると調律ピンの全交換が必要。 また、弦の交換も必要になり修理代が高額になります。
ここまで錆びると調律ピンの全交換が必要。 また、弦の交換も必要になり修理代が高額になります。

うっすらサビならOKです

この程度なら↑なんとかなります!! 錆び取り工程でこなせる範囲です。
この程度なら↑なんとかなります!! 錆び取り工程でこなせる範囲です。

化粧板や下地・合板の剥がれ

外装で困るのは、「化粧板」という一番上の層が剥れてしまう事です。

剥れた外装の1面全体の化粧板を剥がし、
同じ樹種の化粧板を貼り付けて
調色、塗装する必要が出てきます。

このように単純な1面剥がれの場合はまだ良い方。
このように単純な1面剥がれの場合はまだ良い方。
ピアノの一番上の天屋根が巨大な力で挫滅。 木部を含むパネルの全交換が必要となります。
化粧板自体が湾曲したり大きく剥れている場合は 重症です。場合によりお引き取り出来ない事も。

ハンマーフェルト剥れ

お部屋の温度湿度の変化が激しいと、
ハンマー(鍵盤を弾くと動いて弦を打つ部品)のフェルト(羊毛)がハンマーの木(ウッド)から剥れ浮いてしまう事があります。

剥れた部分のハンマー一式(ハンマーウッドからシャンクと言われる棹まで)アセンブリー交換が必要となり高額な修理代が必要となります。

ピアノの一番上の天屋根が巨大な力で挫滅。 木部を含むパネルの全交換が必要となります。
ハンマーの接着がはがれている。ハンマー交換が必要ですが、新旧ハンマーの色合わせに費用のかかる工程が必要となります。
ピアノの一番上の天屋根が巨大な力で挫滅。 木部を含むパネルの全交換が必要となります。
ここまで多数剥れると、ごっそり全交換が妥当となる事も。

外装の極端な損傷やパーツの欠品

頻度は少ないですが、パネルや構造部品が強い圧力や打撃などで大きく損傷した場合、そのパネル・構造部品を新調する必要が出てきます。

数十年前のパネル部品などはメーカーも在庫しておらず、一から手作りするしかない場合があり、高額な費用が必要となります。

またパーツ、部品を破損したり紛失するケースもあり、査定額が大きく下がる要因になります。

ピアノの一番上の天屋根が巨大な力で挫滅。 木部を含むパネルの全交換が必要となります。
ピアノの一番上の天屋根が巨大な力で挫滅。 木部を含むパネルの全交換が必要となります。
ペダルが折れて紛失している。取り付け部や 周辺へのダメージも。
ペダルが折れて紛失している。取り付け部や 周辺へのダメージも。
譜面台があるグランドピアノ。これであれば問題ありません。
譜面台があるグランドピアノ。これであれば問題ありません。
まれに譜面台を紛失したグランドピアノもあります。
まれに譜面台を紛失したグランドピアノもあります。 取り外しできるので引越し等で紛失する事もあるようです。