「アグラフ」とはフランス語で「留め金」を意味します。グランドピアノによく採用されている「弦押さえ」のためのパーツです。
ピアノの鍵盤は88個ありますが、では弦は何本あるでしょうか?
実は220本~230本あります。つまり、一つの鍵盤で約2.5本の弦を叩いている訳です。特に中音部から高音部にかけては弦がだんだん短くなるため質量が小さく、そのままでは音量が少なくなってしまいます。音量のバランスを取るために中音部以降は一つの鍵盤・ハンマーが3本の弦を叩きます。画像をご覧ください。

グランドピアノ中音部のアグラフとそれを通る3本づつの弦(ヤマハC3X)

グランドピアノ中音部のアグラフ(金色の部品)とそれを通る3本づつの弦(ヤマハC3X)

アグラフは次のような役割を果たします。
1.弦の長さ-3本-を揃える 
2.弦の高さを揃える
3.弦の間隔を揃える 
このような役割によって、ひとつひとつの音が純粋に、雑味なく発音する事を助長しています。

しかし、これはそれなりにコストが掛かるため、アップライトピアノなどは割り切って次の写真のような方式で弦を止めています。
アップライトピアノ中低音部の弦押さえ方式

アップライトピアノ中低音部の一般的な弦押さえ方式


しかし、アップライトピアノでも高級品についてはアグラフ方式を使う場合もあります。
アップライトピアノで中低音部にアグラフを使った事例(ヤマハUX5など)

アップライトピアノで中低音部にアグラフを使った事例(ヤマハUX5など)


現代のモデルではアップライトピアノへのアグラフの採用は少なくなっています。