アリコート方式をとるピアノとアリコート方式をとらないモデルを確認するには次の画像をご覧ください。 ヤマハの現行モデルは殆どアリコート方式の弦設計になっていますが、以前はアリコートなしのモデルもありました。

【前方弦の設計の違い】

C3前方弦アリコート

C3前方弦アリコート

G2前方弦アリコートなし

G2前方弦アリコートなし


左はC3Eの画像、右はG2Bの画像です。それぞれ次高音部から高音部にかけてのピアノの弦や鉄骨の形状を写したものです。左は赤いフェルトが3つに分割され段違いになっています。これは有効弦の長さに対して前方弦を整数比に揃えるための仕組みが表れたものです。
それに対して右の画像では赤いフェルトは一直線になっています。整数比の揃える事はしていません。
【後方弦の設計の違い】
C3後方弦アリコート 方式弦枕

C3後方弦アリコート方式弦枕

G2後方弦アリコート方式弦枕なし

G2後方弦アリコート方式弦枕なし


この2つの画像はいずれもグランドピアノの横腹の窪んだところから内部を写したものです。左のC3には銀色のギザギザした金具が付いています。これをアリコート方式弦枕(げんまくら)と言います。この金具の上を弦が通ることによって後方弦の長さが有効弦と整数比になるように,つまり良く共鳴するように設定されています。
一方、右の画像にはそのような金具はありません。
さてその意図は
このように設定されている領域は、次高音・高音部、つまりメロディー域になります。そこで音色に艶が出るよう、倍音を含ませる事を意図している訳です。
しかし他の項でも述べたように音色については音楽の様式や時代性、演奏者の個性によって求められる要素が違ってきます。ですからアリコート方式が高級でその方式を採らないモデルは高級ではない、という事は全くありえません。演奏者が奏でる音楽に相応しい音色が出る事が求められるのです。その楽器あるいはモデルの個性のひとつ、とご理解ください。ところで個性は弦の設計だけで決まるものではありません。人間にも言えることですが、置かれた環境や調律調整の仕方、楽器そのものの個体差で個性が違ってきます。
ですから、ピアノを弾いてみて、何度も試してみて一番ご自身にしっくりくるピアノをお選びになるのが一番良いと思います。