ピアノの足元にある3つのペダルの内、右側のペダルをダンパーペダル、又はサスティニング(持続)ペダルといいます。
ピアノの各鍵盤にはかまぼこを1cmの厚さでスライスしたような形の「ダンパー」という音を止める部品が付いていて、演奏者がその鍵盤を押している間は弦から離れており、鍵盤から指を話すと弦にくっついて弦の振動を止め、結果音が止まります。
ダンパーペダルを踏むと全部のダンパーが弦から離れ、その状態で演奏者が演奏すると、弾かれた鍵盤の弦が振動を妨げられることなく音が持続していきます。
このペダルの役割は重要で、これがなければ、例えばベートーヴェンのソナタ「月光」1楽章はその幻想的な雰囲気を表すことはできないでしょう。ロマンチックな雰囲気を醸し出すこのダンパーペダルは、「ノクターン」というジャンルの創始者でショパンに影響を与えたと言われるジョン・フィールズが左手でゆったりと弾く分散和音に右手の華麗なメロディを乗せて演奏するなど大いに活用して一世を風靡しました。
また今でも発表会でよく弾かれるパダジェフスカ「乙女の祈り」などもこのペダルの恩恵があってこその曲かも知れません。