ピアノの選び方
ピアノの選び方
選ぶポイントはここ!
初めてのピアノ購入で
お困りの方へ
買う前に後悔しない新品ピアノ・中古ピアノの上手な選び方をご紹介します。

新品ピアノの選び方

新品ピアノの選び方
メーカー別ピアノの特徴を
徹底比較
ヤマハピアノについて
身近な人に聞くとヤマハピアノを持っている人が多いのですが、どんなところが良いのでしょうか?
三木楽器 開成館では長年ヤマハピアノを取り扱ってきました。
その上で申し上げますとヤマハピアノの一番の良い点・特長は、何といっても工業製品として極めて安定した品質を持っている事です。将来部品の交換が必要になった場合でも同じ部品を持ってくるとピタッと嵌ります。
もう一つの特長は、表現力の幅が広い事でしょう。普通に弾くとニュートラルな音色、激しく弾くと激しい音色、やさしく弾くとやさしい音色がします。近年芸術的な表現力に更に磨きがかかってきたとの評価もあります。
ヤマハピアノに欠点・悪い点はないのでしょうか?
ヤマハピアノについてよく言われるのは「音がキンキンする」などという評価です。
特によく弾かれたピアノの場合はハンマーの先端に弦の跡が長く深く付いていたりしますと音色がやや金属的になる場合があります。そのような場合は調律師に依頼して「整調」「整音」を入念に行ってください。それにより、ハンマーに弾力性がよみがえり、ヤマハピアノの表現の幅が回復してきます。
ヤマハピアノの音色
カワイピアノについて
カワイピアノはヤマハピアノと比べて何が違うのでしょうか?
カワイピアノはヤマハと並んで世界的にも評価の高いピアノです。
音色はどちらかというと行儀が良く、丸い音という事でヤマハやスタインウェイと対をなしています。
しかし近年のカワイの音色は少しずつ輝かしさも備えてきているとの評価が高まっています。
カワイピアノに弱点はありませんか?
特にありませんが、演奏者の気持ちに反応する時の表現の幅がもう少し欲しいという方もおられます。
音色の行儀のよさがやや暗めという印象を与えているという見方もあります。
カワイピアノの音色
ベーゼンドルファーについて
ベーゼンドルファーピアノの特徴は?
ベーゼンドルファーはご存知のように音楽の都ウィーンで育った楽器です。特長を一言でいうと「木の音がする」でしょうか。
側板や大屋根など木部のボディーも鳴らすようにしており、鋳鉄フレームを鳴らすスタインウェイやヤマハと比べるととても暖かい音色を持っており、声楽や他楽器とのアンサンブルに溶け合う、という評価がもっぱらです。
是非一度ご試弾にお越しください。
ベーゼンドルファーの弱点はないのでしょうか?
以前は大ホールの演奏には音量が不足という評価がありましたが、近年のモデルはかならずしもそうではありません。
しかし、音量で圧倒するという方向は目指していません。国際ピアノコンクールに参加しないのも目指す方向の違いでしょうか。
ベーゼンドルファーの音色
スタインウェイについて
スタインウェイピアノの特徴は?
スタインウェイピアノが世界的に最高の評価を得て今日まで来たことを否定する方は数少ないでしょう。
19世紀末から今日にいたるまで多くのコンサートを彩り、数限りない音楽シーンを演じてきました。フォルテでの輝かしくそれでいて端正さを失わない音色と、オーケストラとの共演でも埋没しない音量は見事というしかないでしょう。
スタインウェイピアノの弱点は?
限度を超えた強打の時にピアノが悲鳴を上げる等の指摘が一部にあります。
しかしコントロールされた打鍵で歌われるメロディ域の美しさには定評があります。
スタインウェイの音色
ベヒシュタインについて
ベヒシュタインピアノの特徴は?
ベヒシュタインピアノは戦前は世界一のピアノとして栄華を極めましたが第2次大戦により工場焼失やドイツの東西分割により勢いを失いました。しかし東西ドイツ統一を機に「ベヒシュタインこそドイツの魂」としていま往年の名声を取り戻すべく世界に誇れるピアノ作りに取り組んでいます。
ベヒシュタインの特長は高い弦圧、総アグラフ仕様等で醸し出される透明感の高い音色にあります。
ベヒシュタインに欠点はありますか?
限度を超えた強打の時にピアノが悲鳴を上げる等の指摘が一部にあります。
しかしコントロールされた打鍵で歌われるメロディ域の美しさには定評があります。
ベヒシュタインの音色
(スタンウェイとの比較あり)
ファツィオリについて
ファツィオリとはどういうピアノですか?
1981年創業のイタリアのピアノメーカー。現社長は家具制作者かつ、ピアノと作曲を本格的に学んだ音楽家としてピアノ作りの情熱覚めず。細部の造りは高級家具のように丁寧にキレイに作られています。
スタインウェイ社の技術者を招聘し国際ピアノコンクールの公式ピアノに認定されるなど活発に活動しています。操業40数年でここまでピアノを完成させたファツィオリの意気はすごいと言えます。
ファツィオリの弱点は?
楽壇への登場から間がなく、評価が定まったとは言えないのが現状です。しかし短期間の中でかなりの支持者を増やしたのは創業者のピアノ造りへの情熱のなせる業ではないでしょうか。
新品ピアノの選び方
ピアノ選びのポイント
マンション住まいで気を付けたいポイント
マンションの規定で生のピアノは置けないのですが…
どうしても置けない場合はやむをえません。クラビノーバなど通常の電子ピアノ以外に、ハイブリッドピアノと呼ばれていますが、本物のピアノと同じ鍵盤やアクション(機構)を備えたヤマハ アバングランド NU1X」などもご検討ください。タッチ感(弾き心地)はほぼ本物のピアノです。音もかなり近いです。
マンション住まいなので防音が気になります。
確かに防音の問題がありますね。音には「空気を伝わる音」と「固体を伝わる音」があります。
まず、ピアノを弾く時には必ず窓を閉めて弾きましょう。ゴム製のインシュレータなどを敷いて床の振動を防ぐ事も必要です。また、ピアノの設置場所ですが、マンションや戸建の外壁から離れた、中心部に近い場所を選ばれるのも一つの方法です。それになんと言っても夜や早朝は音が良く聞こえますので遠慮しましょう。
こどもが高学年になってくると夜に練習する事もあるのではないかと。
その際はピアノに消音ユニットを後付けして夜は消音モードで練習しましょう。
あらかじめ消音ユニット付きのモデルを選ぶ事もできますし、予算的に厳しければ消音ユニット付きの中古ピアノを選ぶのも一つの方法ですね。
小5の娘がピアノコンクールに出るくらいに好きになって夜も弾くし、もっと練習したいというのです。
そこまでピアノが好きになられたのは大変結構ですね。お嬢様にとって大きな財産です。海外赴任のご家庭の奥様がピアノがお得意で、赴任先でピアノを披露していっぺんに人気者になり皆と親しくなった、というお話も聞いています。
ここまで来ればユニット型防音室を検討されるのも一つの方法です。ヤマハのアビテックスは引越先にも持って行けますし、中古市場も発達していますので万一の場合処分もしやすくおすすめです。
ピアノの置き場所について
地震等を考えた場合の置き場所は?
地震を考えた場合の置き場所としてできれば避けたいのが戸建ての2階等への設置です。お部屋の中でピアノが上下左右に大きく動いた場合は多大な損傷が起きる可能性があります。また、ピアノの近くで就寝するなども避けてください。
ピアノはリビングか子供部屋かどこに置こうか考えています。
ピアノにとって良い場所
人間に快適な環境がピアノにとっても快適です。目安としては温度は15℃~25℃、湿度は冬で35%~65%、夏で40%~70%が適当と言えます。日本の気候は湿度が高く、その為ヤマハなど日本のメーカーは湿度にもある程度耐えられるように作られてはいますが、それでも日本でのピアノの大敵は湿度(湿気)です。
三木楽器ではご不用になったピアノの買い取りを行っておりますが、湿度の高い場所に置かれていたピアノは調律のピンやピアノ線(弦)が真っ茶に錆びているのを見ます。こうなると修理に多大なコストが掛かるだけでなく場合により修復不能になってしまいます。湿度の高いお部屋に置かざるを得ない場合は除湿器の使用をお考えください。石油ストーブやガスストーブは水蒸気を発生させますから避けてください。また暖房の熱を直接ピアノに当てるのも避けましょう。
直射日光も大敵!
日当たりの良いお部屋は冬場などは心地よく過ごせるのですが、ピアノに直射日光が毎日当たるような環境の場合、ピアノの外装に反りや歪みが生じたり塗装面の劣化が進行したりします。また昼間は高温、夜間はかなり温度が下がる事によって、弦や響板、鉄骨フレームなどに疲労が出て悪影響が出ることがあります。厚手のカーテンなどで当たらないように保護しましょう。
防音面ではお部屋の中心部に近い方が
マンションや戸建てでも、防音の点から考えると家の外壁に近いところよりも中心部に近い場所の方が周囲には聞こえにくい場所となります。
床の強度の面は?
アップライトピアノで200~250kg、グランドピアノの家庭サイズでは300~350kgです。大人4~6人分の重量と言えるでしょう。
近年に建てられたものですと十分耐えられるものと思われますが、ご心配の場合は建築会社等にお問い合わせください。
ピアノを選ぶ基準は?
同じヤマハのアップライトピアノでも40万円台から200万円を超すものまであり、どれを選べばよいか…
国産でヤマハやカワイなど名の通ったブランドをお選びになるのでしたら一般家庭用のピアノとしてはどれをお選びになっても品質が不足するとか役に立たないという事はありません。確かに高額なモデルは設計にもこだわりまた部品も選んで造られており、少しでも良い音をと追求されていますが、ご家庭に入れてから調律師の調整によって置かれた環境や使われ方に見合った形のピアノづくりを行っていけば、どのモデルでもきっとご満足いただけると思います。
ピアノは色々あって迷ってしまいます。何を基準に選べば良いでしょうか?
ブランドで選ぶ
そうですね。迷ってしまった時はブランドで選ぶのも一つの方法です。ブランドというのは長年多くの方に使われてきて、その期待に応えてきたから今日まで生き残っているのです。その意味でブランドで選べばそれほど大きな間違いはないでしょう。ブランド品はリセールバリューも高い事は皆さんご存知の通りです。なお、気を付けていただきたいのは、部品の一部にドイツ製を使っていることを誇張してあたかもドイツ製ピアノのように言って売り込む場合もあるようですので惑わされないようにしてください。
また、最近は新興国の資本が欧州のかつてのブランドを買収して自国で生産するなどのケースもありよく吟味されることをおすすめします。
価格で選ぶ
しっかりしたメーカー・ブランドを選ばれた上で、ご予算などと照らし合わせて価格で選ぶのはこれも一つの方法です。しかし、ブランドを選ぶ前に価格だけで選んでしまうと失敗するかもしれませんので気を付けましょう。このブランドのあのモデルが欲しいけど予算が…となったときはそのブランドの中古がないか尋ねたり検討してみましょう。
音で選ぶ
でも音やタッチ(弾き心地)が気に入ったらそのピアノを選ばれるのも一つの選択ですね。ピアノはなんといっても楽器ですから、弾いて楽しく快く感じることが一番です。三木楽器 開成館では、展示品全てをご試弾いただけます。また、ご希望のお客様には係員が短いパッセージを演奏し、ピアノの音色を聴き比べていただくことも可能です。
ただ気を付けていただきたいことは、自社が売りたいピアノを最高に調整し、売りたくないブランドの音を濁らせたりして比較し、自社の売りたいものをすすめるような店舗もあるかも知れませんので念頭に置いて下されば幸いです。
ヤマハやカワイなどでアジアの工場で造っているピアノってどうなんでしょうか?
ピアノは手作りの要素が多い為、日本の工場で造るとコストは高くつきます。ヤマハや河合のインドネシアなどアジア工場製ですが、設計は日本でデザインされていますし、部品や製造も日本の基準で造られておりますから何の遜色もありません。ご家庭に入れてからの調律師の調整を含むピアノの育て方の方がむしろ影響はあるかも知れません。
5歳の女児のためにピアノを購入予定ですが、アコースティックピアノか電子ピアノで迷っています…
本物のピアノは弦の振動が響板全体を震わせて音を作ります。またペダルを踏んだ時は弾いている音だけでなく88個ある鍵盤の音全てが共鳴しており、それがピアノの奥深い音色になって私達の耳に届きます。脳細胞がすごい勢いで発達している幼児期には出来るだけ本物の音を味あわせていただきたい、というのが私たちの願いです。
本物のピアノ(生ピアノ、アコースティックピアノ)はどこが良いのでしょうか?電子ピアノも考えていますが…
電子ピアノは確かに魅力的です。軽くコンパクトでヘッドホンが使えるし、何よりお値段が安いですね。
でもやはり本物の持つ「豊かな響き」にはかないません。特に耳(聴覚)が発達する幼児~児童期に本物のピアノを間近に聞くのとそうでないのとでは随分違いがあると思います。素材の良さを生かした手料理を子どもの頃から食べた方の味覚が大いに発達するのと同じですね。もし事情が許すならば子供の頃は生のピアノに触れて欲しい、というのが私たちの願いです。
「ピアノの本」(2009年November)掲載、ピアニスト三浦友理枝さんインタビューより
「やはり木がカーンと鳴る自然な響き、豊かな倍音の広がりはアコースティック楽器独特のもの。子どものときからそうした”生”の音をより多く聴き、”生”ピアノで練習することが、豊かな音の表情づくりは絶対に必要だと思います」
ピアノのお手入れについて
ピアノの外装や鍵盤、真鍮のお手入れについて
塗装面についたほこりはけばたきなどで軽く払いのけてください。鏡面艶出し塗装のピアノには「ユニコン」をおすすめしています。半艶仕上げ塗装のピアノには半艶用ワックスをご使用ください。鍵盤にはキークリーナーをお使いください。
ペダルやYAMAHAのマークなどの真鍮については、それに向いたコンパウンドがありますが、他の面を痛める可能性もありますので調律師等にご相談ください。
ピアノのトップカバーやオールカバー等について
ピアノのキズを防いだり日光を避けるにはオールカバーなどがありますが、湿気の多い場所ですと逆に湿気を吸い、ピアノに良くない場合もあります。また、木目を生かした外装のピアノの場合、カバーが掛かっていない部位が日焼けで色が薄れたりして、掛かっていた部位との色調の差が出ることがありますので注意してください。
湿気対策について
湿気対策として乾燥剤をピアノの内部に入れておくこともあります。
しかしピアノは密閉されていないため効果は一時的とお考えください。ピアノの中に温和な発熱体を入れておく装置もあります。
これは電気代はかかりますが(1ヶ月200-300円)効果はあります。
新品ピアノの選び方
ヤマハピアノ
購入時の注意点
他店では、ヤマハピアノを卸売価格で買えると言っているのですが三木楽器 開成館はいかがですか?
現在ヤマハピアノの卸売を主たる事業としているのはヤマハ株式会社及びその100%子会社だけだと認識しています。その卸売り先はヤマハピアノ正規特約店(※)だけです。ヤマハピアノ正規特約店でないところが卸売価格で消費者に販売するという事があり得るのか不思議に思っています。三木楽器は戦前からヤマハピアノ正規特約店としてヤマハピアノを数え切れないほど数多くお客様にお納めして参りました。ヤマハピアノはどうぞご安心して三木楽器 開成館よりお求めください。
ヤマハ株式会社と特約店は商品カテゴリーごとの取引契約となっています。
管楽器や電子楽器の契約があってもピアノの契約はない場合があります。
新品ヤマハの流通のすがた
ヤマハピアノの格安、激安をうたう広告を時々見かけます、三木楽器はどうですか?
ヤマハピアノを安い価格で広告し、来場されたお客様には別のピアノを「ドイツ製」であるかの如く説明し日本以外のアジアメーカー製のピアノを販売している例をいくつか見て参りました。中にはヤマハピアノの調律をわざと狂わせて自分の売りたいピアノを良い音と見せかけるような極めて悪質な販売方法も過去にありましたので十分お気をつけください。
三木楽器 開成館はヤマハ創業の頃ヤマハピアノの西日本総代理店を勤めて以来、100年以上にわたりヤマハピアノを数多くお納めして参りました。ヤマハピアノは是非関西は大阪本町の三木楽器 開成館でお求めください。
もちろん、開成館としてもお客様にできるだけご負担を少なくすべく価格面でも最大限の努力をしております。
是非お気軽にヤマハピアノ(新品)の見積り依頼・問い合わせを下さるようお願いいたします。

中古ピアノの選び方

中古ピアノの選び方
中古ピアノ購入時の注意点
致命的な欠陥を避ける
響板とフレーム(金属プレート)の折れ・ひび割れに注意

ピアノにとって致命的な欠陥とは何か、それは響板とフレーム(金属プレート)に起こります。響板の欠陥は主に(1)ひび割れと(2)駒の沈下です。
フレームの欠陥は折れ・ひび割れです。響板の欠陥は雑音(ノイズ)や不鳴りを引き起こします。フレームに欠陥があると調律が出来なくなります。
しかしこれらの欠陥はピアノを見て発見できるものではありません。これらの致命的な欠陥は「ピアノを弾いてみる事」で発見できます。ピアノを弾いてみて、特定の鍵盤で「雑音(ノイズ)が出る」とか、「鳴りや響きが良くない」と感じたら原因がなんであれ避けた方が良いですね。また弾いたピアノが極端に調律が狂っているキーや部分がある場合はフレーム折れや「ピンルーズ」の可能性があり、これも避けた方が良いでしょう。

音色やタッチ感は試弾してみる

ピアノは楽器ですから、好きな音色のピアノを選びましょう。そのためには、店舗で試弾してみるのが一番です。
三木楽器 開成館ではすべてのピアノをご試弾いただけますし、必要に応じて店舗担当者が弾いてさしあげられます。是非一度本町開成館にお越しいただき、弾き比べをしてください。

メーカーによって異なる音色の違い
ヤマハピアノとカワイピアノの違いは?

日本ではヤマハとカワイでシェア85%を占めていましたので私たちが目にするピアノのほとんどはこのどちらかです。どちらも世界的に定評のあるメーカーです。どちらを選んでも失敗ということはないでしょう。
全般的にいえば、ヤマハは明るく輝きのある音色、カワイは落ち着いたまろやかな音色を持っていますが、個々のピアノによって少しずつ違いがあります。店頭でご自身で確かめ、お好みの音を選んでください。店頭スタッフに弾いてもらっても良いですね。
「ヤマハはキンキンする」という声や「カワイの音色は暗い」などの評価もありますが、ピアノの整備(整調・整音・調律)を行った上での評価ではない事もありますのでご留意ください。
欧米のメーカーでは一部に日本の気候(多湿)に合わず、メインテナンスに神経を使う必要があるものもあります。
なお、欧米風の名前でアジア産のピアノも新品と同様ですがありますので、気になる場合は「原産国はどこですか?」とお尋ねになってください。

中古ピアノの寿命は?

まず「ピアノの寿命」ですが、良い環境に置かれメインテナンスを受けていれば寿命はまず100年以上あると見て良いでしょう。
人によっては「半永久的」とも言います。ただし、ハンマーや弦などは消耗部品ですから耐用限度が来たら交換する必要があります。問題はハンマーや弦など重要部品の交換がかなりの費用(数十万円)になる事です。その意味で次のようにまとめられます。

中古アップライトピアノ

まず問題ありません。重要部品の交換が必要なほど酷使されたアップライトピアノは稀にしかありません。中古市場に出てくるピアノは(悪質業者でない限り)今後数十年は使えるものばかりです。

中古グランドピアノ

グランドピアノの場合、ピアノの専門家が使ったケースが多く、弦やハンマーなどがどの程度消耗している可能性があります。外観がきれいで、弾いて良い音がしたとしても、今後長く使えるかどうか確認する必要があります。ピアノの先生やピアニストでもその判断は難しく、調律師であれば判断できます。調律師が「アクション」を内部から出して観察すれば分かります。その意味でピアノ選びに知り合いの調律師に同行してもらうのは良い方法です。

中古ピアノの選び方
ピアノ選びのポイント
中古ピアノと電子ピアノの比較
中古ピアノか電子ピアノか、価格帯が同じだとどっちを買うか迷ってしまう…

価格帯が重なっていますのでよく比較されます。私たちからすると音の深さ、自然な響き等で断然中古でも生ピアノをおすすめしたいのですが、一方電子ピアノの良さも捨てがたいものです。
電子ピアノは「持ち運びが簡単」「ヘッドホンが使える」「色々の音が出る」などのメリットがある一方で、「音は本物ではない」「生産終了後メーカーが電子部品を供給しなくなったら修理できない」「少し古くなると買い取りしてもらえない」などのデメリットもあります。
本来ピアノレッスンは生ピアノを基本になされます。特に幼児期のお子様は聴覚をはじめとする五感を猛烈な勢いで発達させておられるので本来は生のピアノでのレッスンが望ましいのは申すまでもありません。そのことを基本に以下の意見を述べさせていただきます。

マンションなどでピアノの持ち込みが出来ない規則がある
このような条件が絶対的な場合はやむを得ませんね。電子ピアノしか選べません。
「消音機能が付いているピアノで夜間はそれを使用すればOK」の場合もあります。消音装置付きの中古ピアノも豊富に出回っていますので、確認してください。
今はピアノが置けるけど将来転勤した場合、置けるかどうか分からない
幼児期にはできるだけ生の音に触れさせてあげて欲しいものです。
確かに転居は心配ですがピアノの場合、万一手放す場合でも価値がゼロになる事はありません。電子ピアノの場合、特に型番が新しいものに替わった時には処分価格が付かなくなる事も多いです。どちらかを選ぶ場合、それも留意点としてお決めください。
電子ピアノの方がいろんな音が出るので楽しめる
最近は多音色機能を備える消音ユニットを装備した中古ピアノもあります。店舗で尋ねてみてください。
5歳の女児のためにピアノを購入予定ですが、アコースティックピアノか電子ピアノで迷っています…
本物のピアノは弦の振動が響板全体を震わせて音を作ります。またペダルを踏んだ時は弾いている音だけでなく88個ある鍵盤の音全てが共鳴しており、それがピアノの奥深い音色になって私達の耳に届きます。脳細胞がすごい勢いで発達している幼児期には出来るだけ本物の音を味あわせていただきたい、というのが私たちの願いです。
マンション住まいで気を付けたいポイント
マンションの規定で生のピアノは置けないのですが…
どうしても置けない場合はやむをえません。クラビノーバなど通常の電子ピアノ以外に、ハイブリッドピアノと呼ばれていますが、本物のピアノと同じ鍵盤やアクション(機構)を備えたヤマハ アバングランド NU1X」などもご検討ください。タッチ感(弾き心地)はほぼ本物のピアノです。音もかなり近いです。
マンション住まいなので防音が気になります。
確かに防音の問題がありますね。音には「空気を伝わる音」と「固体を伝わる音」があります。
まず、ピアノを弾く時には必ず窓を閉めて弾きましょう。ゴム製のインシュレータなどを敷いて床の振動を防ぐ事も必要です。また、ピアノの設置場所ですが、マンションや戸建の外壁から離れた、中心部に近い場所を選ばれるのも一つの方法です。それになんと言っても夜や早朝は音が良く聞こえますので遠慮しましょう。
こどもが高学年になってくると夜に練習する事もあるのではないかと。
その際はピアノに消音ユニットを後付けして夜は消音モードで練習しましょう。
あらかじめ消音ユニット付きのモデルを選ぶ事もできますし、予算的に厳しければ消音ユニット付きの中古ピアノを選ぶのも一つの方法ですね。
小5の娘がピアノコンクールに出るくらいに好きになって夜も弾くし、もっと練習したいというのです。
そこまでピアノが好きになられたのは大変結構ですね。お嬢様にとって大きな財産です。海外赴任のご家庭の奥様がピアノがお得意で、赴任先でピアノを披露していっぺんに人気者になり皆と親しくなった、というお話も聞いています。
ここまで来ればユニット型防音室を検討されるのも一つの方法です。ヤマハのアビテックスは引越先にも持って行けますし、中古市場も発達していますので万一の場合処分もしやすくおすすめです。
消音装置は必要ですか?メリットとデメリットは?

ピアノ消音装置は1993年にヤマハが発売、以後急速に普及しました。基本原理はこうです。

ハンマーが弦に当たる直前でハンマーの動きをストップして音をださないようにし、鍵盤の動きの速さをセンサーで検知して音の強弱や音質に変換して電子音源から発音し、ヘッドホン等で聴く。

いわば、ピアノの中に電子ピアノを内臓したようなものです。
使い方は、昼間や夕方などは通常のピアノとして使い、夜間など周りが静かになる時は消音状態にしてヘッドホンで音を聴くという方が多いです。
消音装置はこのように、ピアノに触れる時間帯を広げることができたので防音に悩んでいた愛好家には救いとなりました。
しかし、多少のデメリットがない訳ではありません。ハンマーの動きを弦に触れる直前にストップするために、ピアノの調整を少し変化させる必要があります。そのため、鍵盤のコントロール性がやや低下しますので、微妙な表現が難しくなります。
従って、ピアノを弾く方が幼少で、防音を気にする必要が少ないなどの場合は消音装置なしでお使いになり、高学年になって必要になった時に消音装置を後付けする、というのも一つの選択肢です。

ピアノを選ぶ基準は?
同じヤマハのアップライトピアノでも40万円台から200万円を超すものまであり、どれを選べばよいか…
国産でヤマハやカワイなど名の通ったブランドをお選びになるのでしたら一般家庭用のピアノとしてはどれをお選びになっても品質が不足するとか役に立たないという事はありません。確かに高額なモデルは設計にもこだわりまた部品も選んで造られており、少しでも良い音をと追求されていますが、ご家庭に入れてから調律師の調整によって置かれた環境や使われ方に見合った形のピアノづくりを行っていけば、どのモデルでもきっとご満足いただけると思います。
ピアノは色々あって迷ってしまいます。何を基準に選べば良いでしょうか?
ブランドで選ぶ
そうですね。迷ってしまった時はブランドで選ぶのも一つの方法です。ブランドというのは長年多くの方に使われてきて、その期待に応えてきたから今日まで生き残っているのです。その意味でブランドで選べばそれほど大きな間違いはないでしょう。ブランド品はリセールバリューも高い事は皆さんご存知の通りです。なお、気を付けていただきたいのは、部品の一部にドイツ製を使っていることを誇張してあたかもドイツ製ピアノのように言って売り込む場合もあるようですので惑わされないようにしてください。
また、最近は新興国の資本が欧州のかつてのブランドを買収して自国で生産するなどのケースもありよく吟味されることをおすすめします。
価格で選ぶ
しっかりしたメーカー・ブランドを選ばれた上で、ご予算などと照らし合わせて価格で選ぶのはこれも一つの方法です。しかし、ブランドを選ぶ前に価格だけで選んでしまうと失敗するかもしれませんので気を付けましょう。このブランドのあのモデルが欲しいけど予算が…となったときはそのブランドの中古がないか尋ねたり検討してみましょう。
音で選ぶ
でも音やタッチ(弾き心地)が気に入ったらそのピアノを選ばれるのも一つの選択ですね。ピアノはなんといっても楽器ですから、弾いて楽しく快く感じることが一番です。三木楽器 開成館では、展示品全てをご試弾いただけます。また、ご希望のお客様には係員が短いパッセージを演奏し、ピアノの音色を聴き比べていただくことも可能です。
ただ気を付けていただきたいことは、自社が売りたいピアノを最高に調整し、売りたくないブランドの音を濁らせたりして比較し、自社の売りたいものをすすめるような店舗もあるかも知れませんので念頭に置いて下されば幸いです。
ヤマハやカワイなどでアジアの工場で造っているピアノってどうなんでしょうか?
ピアノは手作りの要素が多い為、日本の工場で造るとコストは高くつきます。ヤマハや河合のインドネシアなどアジア工場製ですが、設計は日本でデザインされていますし、部品や製造も日本の基準で造られておりますから何の遜色もありません。ご家庭に入れてからの調律師の調整を含むピアノの育て方の方がむしろ影響はあるかも知れません。
ピアノの種類は、アップライトピアノが良い?グランドピアノが良い?
ピアノ本来の姿かたちはピアノの前身チェンバロと同じように平型ーつまりグランドピアノから始まっています(1700年代初頭)。アップライトピアノは、1800年にアメリカ人ホーキンスが発明しそのコンパクトさで瞬く間に全世界に広まりました。
グランドピアノは、打鍵のコントロールし易さ、音の拡がり、音色の多彩さでアップライトを凌駕しており、ピアノとの生活もより楽しめるでしょう。もしグランドピアノを設置できる空間をお持ちなら是非、検討してみてください。
アップライトピアノは、背丈が高めタイプが良い?それとも背丈低めでコンパクトタイプが良い?
背丈高め(131cm前後)のアップライトピアノ
背丈の高いアップライトには長い弦が張ってあり、低音は豊かに響きます。豊かな低音を求める方は131cm前後のピアノをお求めになると良いと思います。このクラスのピアノは性格的にゆったりおっとりしています。
背丈低め(110~121cm前後)のアップライトピアノ
次に、121cm前後の背丈のピアノも低音はかなり豊かです。このクラスのピアノは活発、快活な性格を持っています。しかし、131cm,121cmいずれも音質的にはグランドピアノに出来るだけ近づけようと考えて作られています。
一方110cm前後の背丈のピアノは欧米でよく普及したモデルです。家具調のデザインを持ったものも多いですね。このクラスのモデルは音質的にはあくまで家庭用と割り切って設計されています。確かに比較すれば低音の響きに物足りなさを感じるかも知れませんが、全体としてバランスが取れていれば普段お使いになるのに不足を感じることはないでしょう。

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